老婆が書く、初恋相手との出会いの思い出話 |
| 老婆の私が初恋いの相手に出会った事をかこう。なぜそう思ったかはわからない。ただ、最近の夕立がその気にさせたのかもしれない。 彼と出会ったのはまだ私が十五歳、高校一年の夏休みでした。 戦争が終わり空襲で家を焼かれた私たちは、家族で父の実家に身を寄せることなりました。 これでも都会で育った私はバスが一時間に一本しか来ないこの村でやっていけるのか不安の毎日でした。 ある日、母から頼まれごとをして街まで行くことになりました。私は一番新しく配給された服をきて少しでもオシャレをして行きたかった。 しかし、バス停に向かう途中から段々と真っ黒な雲が頭上を覆い雷とともに激しい夕立が降ってきました。 久々に街に行く私はとても気分が良かったのを覚えています。しかし配給されたばかりの服を濡らす訳にはいかない。 何かに追われるかの様に屋根のあるバス停まで走った。やっとバス停に駆け込んだ途端に轟音がひびきました。 雷です。私は大声を上げて頭を隠しました。隣りでバスを待っていた男の子がクスリと笑っていました。 たしかに笑われてもおかしくないほどの私は雷が苦てだったのです。恥ずかしさもあって思わずその彼を睨んでしまいました。 しかし、すぐにまた轟音が鳴り響き私は大声を上げてうずくまった。もしかしたら私の声の方が雷よりも大きかったかもしれません。 彼は、今度は吹き出して笑っていました。 私はそんな自分がおかしいのと恥ずかしいのとで今度は釣られて一緒になって笑っていました。 彼も街までいくらしく、この村になれない私は一緒に街まで行くことになりました。 彼はお世辞にもハンサムではなかったですが、とても優しかった。 目的の場所まで遠回りをして私を送ってくれたようでした。 あの時、なれない街で優しくしてくれたからか、街にでた高揚感なのか私はとても舞い上がっていたようです。 なにしろ、私の名前は言ったけれど彼の名前を聴きわすれてしまったのです。 もう、彼には会えないのかな。名前もわからないし。そんな事を考えてばかりいました。 そして新学期になって私は新しい学校に転向することに。 すると信じられないことが起こりました。クラスメートが転校生を教室まで迎えにくるとの話でした。 そこに現れたのが名前もわからない彼でした。私は思いも寄らない再開に気が動転して何も話すことができませんでした。 何か話さなきゃ。そう思う程言葉がどんどんでなくなりました。 次回はその後の話をしたいと思います。ではさようなら。 |